樹安ママの発達障がいな毎日

発達障がいのあるあるを、時にはゆるく、時にはマジメに。

母親としての原点

私が障がい児の母親として生きていく上で、原点とも言える場所があります。それは、娘が通った特別支援学校の幼稚部。今までも何回か話題に取り上げさせてもらっています。

娘が小さい頃から通っていた療育教室の先生に勧められて、見学会へ行ってみた時のピン!ときた感じ、ワクワク感は今も覚えています。学校紹介のビデオに出てくる、いろんな行事….果物狩り、焼き芋会、プール、お出かけ、季節ごとのお楽しみ会、などなど…楽しそう!行ってみたい!と思い、すぐに入園を決めました。

 

実際に入園してみて、まず驚いたのは、先生方のきめ細かい指導!ほぼマンツーマンの状態で、その子に合った対応を取ってくれます。当時の娘は初めての人、初めての場所、何から何まで怖がっていて、すぐにパニックを起こしていたのですが、担任の先生は時間をたっぷり取って、娘の気持ちに寄り添って、娘のタイミングを待ってくれました。少しずつ、少しずつ、できることが増えていきました。

 

そして、もうひとつの大きな特徴…親子で通園、なのです。入園してすぐは親も子供と一緒に活動に参加し、唯一子供と離れるのは給食の時だけです。そして、子供が成長するとともに、親も子供の活動から少しずつ離れていきます。

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親子で一緒に活動に参加する最大のメリットは、親が不安に思っていることをその場で先生に相談できたり、子供の様子から先生にその場でアドバイスをもらえたりして、親も一緒に成長できること、なんです。障がい児を持つ親といっても、障がいの種類や度合いはその子によってバラバラ、相談できるところも少なく、親も基本的にはみんな不安を抱えて育児をしています。そんな中で、担任の先生が強い味方になってくれて、本当に心強いんです(^_^)

 

そして、子供たちと離れている間…親は控室で待機していなければいけないんです。親たちがひとつの部屋に集まれば、そりゃいろいろあります。中にはウマが合わない人も出てきたりして…これがイヤで、支援学校の幼稚部入園を諦める人もいるそうなんです(>_<) もったいないなぁ…。まぁ、仕事をしている人も、母子通園は不可能ですよね。それぞれの事情があるのは仕方ないです。

幼稚部で子供たちと一緒に活動するうちに、お互いの子供の特徴もわかってきます。多動で困っている子や、言葉がなかなか出ない子、手先の感覚の敏感さに悩む子、感情のコントロールに悩む子、身体の発達で悩んでいる子…障がい児といっても、本当にいろいろです。

そんな中で、発表会の衣装を一緒に作ったり、一緒にプールや海に入ったり、焼き芋会の焚き火番をしてみんなで煙くさくなったり…共にいろいろなことをして過ごすうちに、同じ釜の飯を食った仲間というか、不思議な連帯感のようなものが生まれてくるんです。普通のママ友とはまた違う、何とも不思議な感じです。

それぞれ小学校に上がって、娘はみんなとは違う学校になったので、あまり会うことはなくなってしまいましたが…それでも、バッタリ会うとうれしくなります(^_^)

 

私は、特別支援学校の幼稚部でいろいろなことを教わりました。その中で最も大事なことは、子供に寄り添うことの大切さ、だと思います。目の前にいる子が、今何を感じているのか。今何を求めているのか。たとえ言葉が出なくても、ずっとそばにいれば何か通ずるものがあるし、その子なりのサインが見えてきます。そこを見逃さず、親子共に壁を少しずつ乗り越えることで、親子の絆が生まれ、子供にも自信が芽生え、障がいを持つ子が自分でこの世を生きていく力になっていきます。

娘が生まれたばかりの頃は、親子ともに自信がなく、お出かけすらできなかった私たち。今、親子ともに逞しく日々を過ごせているのは、間違いなく特別支援学校の幼稚部のおかげだと思っています。

今もたまに、日々の中で壁につまずくことはあります。そんな時は、幼稚部時代の教えに立ち返って、原点を思い出して、そうしてまた前に進むことができます。

そして、当時一緒だった仲間たちも、きっとそれぞれ頑張っていると思うと…うちらも頑張るよー!と、勝手ながら力をもらっているのです(^_^)