いのちのおはなし
娘がお世話になった特別支援学校の幼稚部。
そこには娘のような発達障がいの子供たちがたくさん通っていましたが、中には身体障がいを抱える子供たちもいました。
そんなひとり、Aちゃんのおはなし。
彼女は生まれて間もない頃に心臓の病気が見つかり、手術をして一命は取り留めたものの、その後は心臓の部分にペースメーカーを入れなければならなくなりました。
幼稚園に通ってはいましたが、ペースメーカーのメンテナンスで長期入院をすることがあったり、プールの時に一緒に入れないこともありました。
幼稚園では、他の子よりも特に転ばないように気をつけたりはしていましたが、生活自体はみんなと変わらず過ごしていました。彼女、とってもお茶目でイタズラ好きな女の子なんです!案外小悪魔なところがあって、ママやまわりの子たちを振り回したりもしていました(^_^)
そんなAちゃんのママが、ある時私にこんな話をしてくれました。シェアさせてもらいますね。
心臓にペースメーカーを入れている子供、まわりにはほとんどいなくて、悩んだ時や困った時に、話を聞いてくれる人はいても、実際に相談できる人がいないんだそうです。
100キロほど離れたところに、ペースメーカーを入れているお姉さん的な存在の子がいて、その子の存在がAちゃんママの希望であり、励みになっていました。
でも、その子が小学6年生で亡くなってしまったんだそうです。Aちゃんを連れて、お葬式に行ってきたんだそうです。
Aちゃんのママ、Aちゃんの心臓に病気があるとわかった時や、手術をして一命を取り留めた時…Aちゃんのいのちの期限がある、という覚悟を持ったんだそうです。その覚悟を持ちつつ、その上で毎日を精一杯過ごそう!と思ったんだそうです。
でも、娘が死ぬという覚悟…持っていたつもりでも、いざ同じ病気の子が亡くなってしまうと、やっぱり怖い。怖いよ。娘が死ぬのは、やっぱり嫌だよ!と。
その後Aちゃんは、元気に特別支援学校へ通っています。娘と学校が別々になってしまってからは、あまりAちゃんとは会えなくなりましたが…先日見かけた時は、素敵なお姉さんに成長していました(^_^)
Aちゃんママ、こんなことも言っていました。
今は発達障がいのことがよく話題になるけど、身体障がいの子供たちもたくさんいるし、みんな日々の生きづらさと戦いながら生きている。もっと私たちのことも見てほしい、取り上げてほしい、と。
だから私は、ここにAちゃんのことを書くことにしました。
いただいたいのち、いつまでなのかは自分自身にはわからないけれど…大切に、丁寧に、生きていきたいです。